ぶっき Library... 蛇にピアス (金原ひとみ)

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蛇にピアス (金原ひとみ)

デビュー作にして芥川賞受賞作。

2作目『アッシュベイビー』を先に読んでたんだけど、『蛇にピアス』を読んでいろいろと納得。『アッシュベイビー』は言葉のパワーにはかなり感心したのだけれど、随分粗いなぁ、というのが実感でした。それに対して『蛇にピアス』は題材こそ過激だけど小説としては破綻無くまとまっている。デビュー作ということで文学者である親父さんの助言を仰ぎつつ手堅く仕上げたのが『蛇にピアス』で、一方自分らしさを荒々しく表現して見せたのが『アッシュベイビー』だったということか?

身体に穴を開けたり模様を入れたりが好きな人たちのお話です。それっぽい描写が随所にあって、登場人物たちのキャラともども激しく好き嫌いが分かれそう。

この作品のテーマであり見所はヒロイン(二十歳前の女の子)の心理描写。前半はファッションの延長みたいなノリで舌に穴開けるんだけど、後半は心労とストレスから憑かれたように舌の穴をどんどん大きくしていく。この対比によってヒロインが内に抱えるダークな気配が浮き彫りに。なかなか効果的です。
刺青に眼を描く描かないという選択を通してヒロインの心の変化を表すという小細工も、いかにも芥川賞っぽくって素敵!!!(笑)

ちなみに『アッシュベイビー』では助演の男二人の造形が不満だったけど、この作品の助演の男二人には違和感が無かった。

減点法で採点したら『蛇にピアス』の方が上かな?でも表現力の点では『アッシュベイビー』に進化の跡が認められます。

もっと破綻した作品かと思ったら、オーソドックスで手堅い純文学作品でした。
hebixpiace.jpg
  1. 2006-04-30 23:13:53
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