ぶっき Library... アッシュベイビー (金原ひとみ)

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アッシュベイビー (金原ひとみ)

キャバ嬢による怒涛の1人称語りで、実も蓋も無い言い方をすると、彼女の愛と性が露悪的にエロく、グロく語られます。キャバ嬢っていう職業的なものはさして重要ではないかな。

怒涛のようなに迫ってくる言葉の威力は凄い。文章にエネルギーとかパワーがある。で、そのエネルギーとかパワーが全開でエログロが極まったようなアクの強い描写が積み上げられていきます。
読み始めたときは「なんじゃこの世界は~」って感じだったけど、悲しいかなそんなにウブじゃなくなっていたようで、割と早い段階で慣れてしまって、その後は冷静に読めてしまった。
描写はアクが強いけど文章はしつこくないから、意外とすんなり読めるような気がしないでもない。

小説内での出来事が何でもかんでも人間の本能(欲望とか暴力性みたいな)に結び付けられて語られるから、一見リアルであったり生々しく感じられるんだけど、そういう世界に慣れちゃうとわりと物足りなかったですね~。
一方でインパクトのあるエログロをぶちかましつつ他方で主人公の孤独感とか疎外感みたいなものを描いて、併せ技でストレートでエネルギッシュだけど繊細で脆くてひたむきな若い女の子の(つうか主人公の)感覚とか感性を描き出そうというのがこの作品の狙うところだと思うんだけど、主人公の孤独感とか疎外感の描写がエログロ描写の強烈さに完全に負けちゃってるんじゃないでしょうか。主人公が自傷行為に及ぶ場面や惚れた男のことで煩悶する場面とか、機関銃のように言葉は発せられるけど上滑りしていて迫ってくるものが無かったですね。語っている主人公本人が自覚的でないという設定だろうけど、小説的にはどうにかして演出して欲しいところだと思うなぁ。
現状だとエログロの部分だけが突出しちゃってるんだと感じた。

それと、主人公が惚れる男性とか同居人の男性の人物造形がイマイチじゃなかった?特に主人公が惚れる男性の方(村野)。読んだこと無いんだけど、レディコミに登場するミステリアスないい男キャラってこんな感じ?、なんて無責任な想像してしまった。ともかくその程度の作り物めいた人物像。相方がこれだから、主人公が彼を求めて悶絶する描写が上滑りしちゃってる感じかな。読んでて切なくならなかった。

同居人が連れ込んだ赤ん坊の存在に主人公が気がつくシーンとか、惚れた男にひたすら「好きです」と訴え続ける描写はなかなかコミカルで面白かった。描写としては面白いんだけど、激烈エログロ描写とうまく折り合っていない感じ。作者はまだ自分のそういう持ち味を有効に活かしきれていないのかな、と思った。

全編にみなぎる強烈な表現意欲は凄いけど、かっこつけて言うとエンターティナーとしてはまだまだ原石だと思った。荒削りとも言うけど。
でも、こういうキャラの作家は、下手に読ませ上手になっちゃうとつまらなくなったりするのだろうか。
asshubaby.jpg
  1. 2006-04-30 23:13:26
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「アッシュベイビー」金原ひとみ を読んで
アッシュベイビー (集英社)金原ひとみ この不快感と満足感とが入り混じった不思議な感覚は、一度味わうと中毒になる。 金原ひとみワールド。 内容紹介 『蛇にピアス』を凌ぐ衝撃の第2作! 赤ん坊、変態、好きな男。主人公アヤはこの三人に囲まれ、ただひたすらに愛しい死を
  1. そういうのがいいな、わたしは。    
  2. 2007-10-07 02:09:46  

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