ぶっき Library... 世界の中心で、愛をさけぶ (片山恭一)

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世界の中心で、愛をさけぶ (片山恭一)

一般論として、恋愛とか青春とか嫉妬とか怒りとかは、読者に対する“引き”がとりわけ強い感情であると思います。つまり演出がさして巧妙でなくとも読者を煽ることが可能です。
ことに純愛物は、それらしい状況とキャラさえ揃っていればあとは読者が勝手に妄想を膨らませてくれるので(人間は常に発情してますから・・・)、むしろ余計なことをして妄想を邪魔しないことの方が重要だったりします。
あ、これ全部私見ですけど(汗)。

そういう意味で『世界の中心で、愛をさけぶ』には余計と感じられる演出が少ないし、鼻につく要素(独りよがりの気取った言い回しや、テンポとリズムだけで中身の無い会話や、取って付けたような現代の若者気質など)もほとんど無いかあってもうるさく感じられない程度に収まっています。
抑制が効いていると言うよりは、素朴と言うべきかもしれませんが・・・

じゃあ読者の妄想を掻き立てるようなそれらしい状況とキャラが揃っているのかと言うと、これは読者個々人との相性なわけで、とは言えこれだけ売れたのだから触発された読者が相当数いたのでしょう。

男性であるわたしにとって妄想の引き金となるべきはヒロインのアキ。しかし、存在感が希薄だし、入れ込める場面も無くて、妄想のスイッチは入らずじまいでした。
元凶は、わたしの幸薄い恋愛経験にあると考えられます・・・

演出はシンプルなりにもう少しまとまりが欲しかった。もともと見せ場が少ない上に(これ自体は欠点とは思いませんが)、それらがバラバラで散漫になっています。
とりあえずオーストラリアをちゃんとプロットに組み込んで欲しかった。新婚旅行の予定地というだけで、死病をおしてそこに旅立とうとしたりそこで遺骨を撒かれても戸惑ってしまいます。ちゃんと伏線をはるか(ヒロインとオーストラリアの関連付けをより強固に!)、いっそのことオーストラリアは無しにしてアジサイの場面や蛍の場面を終盤に活かした方が引き締まったかも。
そうなっても泣けるとは思えませんから蛇足なんですけど・・・

嫌な感じのあざとさや独りよがりが少なくて、全体の印象は悪いものではありませんが、さりとてこの作家の別の作品に手を伸ばしてみようという気持ちにはなりませんでした。
sekatyu.jpg
  1. 2006-04-30 18:13:36
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