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プリズンホテル 夏 (浅田次郎)

シリーズ第1弾。

ヤクザの経営するリゾートホテルで繰り広げられる人情たっぷりのコメディ。映画の寅さんとかつりバカ系のノリです。コメディとしてはベタというか古典的なのですが、思いっきりこの路線に徹しているので気持ちよく楽しめました。新鮮で無いと言っても日本人の笑い&涙の王道なので、こんな風に手際よく演出されたら面白いです。

ヤクザの親分が人格者でかつ当たり前のように癒しと再生のドラマが繰り広げられるという展開自体はかなり作り物っぽいのですが、ヤクザの経営するリゾートホテルという型破りな設定による面白さが随所にあるので、「細かいことはどうでもいいかぁ~」って感じです。もっとも、こういうのはだんだんと鼻についてくる危険がありますけど。

登場人物が活き活きと魅力的に描かれていて、誰もが身近に感じられました。
いろいろな登場人物の癒しと再生のドラマ自体はお約束どおりの展開ですが、人物の心境変化が手堅く描かれていて、エンディングで唐突に吹っ切れたり和解するみたいな強引さというか安っぽさはありません。それなりには感情移入できました。

シリーズになっているようなので、未解決の項目もあったりして(特に主人公である作家の屈折した心理は解きほぐされないまま)結論めいたことは言えませんが、次作以降に期待を持ちました。主要キャラが活き活きと登場し、シリーズの方向性が明解に提示されています。シリーズの“つかみ”としては成功していると感じました。
prisonhotelxnatu.jpg
  1. 2006-04-29 17:03:04
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