ぶっき Library... 暗いところで待ち合わせ (乙一)

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暗いところで待ち合わせ (乙一)

短編集が多いのでこの作家の真骨頂は短編にあるのかもしれませんが、わたしは短編が好きではないので、この長編でこの作家を知りました。

感心したのは二人の主人公の心理描写。真のドラマは二人の内面で進行します。古典的な手法ながら簡単ではないと思います。この作家はそれを天性のものと思える語り口でやり遂げています。内面の変化が静かだけどドラマティックに描かれています。感情移入するまでには至らなかったものの(十代の頃に読んだら違っていたかも)、すっかり引き込まれてしまいました。

作品の構成上ある程度止むを得ないとは言え、主要な脇役の人物造形と、彼らと主人公たちとの交流の描写は手薄に感じられました。殺意にせよ友情にせよ、そうした感情を抱くに至ったプロセスがト書き風にあっさりと紹介されているだけなので、物語に広がりが出てきません。特にヒロインの友人の人物造形は、役割の大きさに比して手薄に感じられました。ここが決まれば、感動はさらに深いものになったと思います。
このことも含めて、緻密な計算に基づくというよりも、作者の鋭敏な感性と天性と思える語り口に依って立つ作品と感じました。そういう意味では短編っぽいのかもしれません(緻密な計算に基づく短編の存在を否定する趣旨ではありません)。わたしとしては、この持ち味を残したままで、さらに入念な作り込みと手ごたえが欲しいと感じました。

現状でもかなり楽しめました。既に勝ちパターンを確立している作家だと感じました。ただ、本格的な長編小説としては手薄な印象でした。
kuraitokoroxmatiawase.jpg
  1. 2006-04-30 12:10:02
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コメント

miyukichiさん、コメントありがとうございます
廃墟と化しつつあるブログに、TB&コメントありがとうございます。

勝ちパターンというのはですね、「○○な気分に浸りたいから、乙一を読もう」と思わせるような個性と魅力ある作風ができあがってますね、というような意味です。表現として分かりにくかったかも・・・
  1. ひねもじら 乃太朗  
  2.  
  3. 2007-08-13 15:54:10 
  4. #mQop/nM. 
  5. [ 編集]
 こんにちは♪
 TBどうもありがとうございました。

 乙さん、短編が多いのですか。
 私はなにしろこれが初読みだったもので、
 まったく知らなかったです^^;;

 とっくに十代ではない私ですが(笑)、
 感情移入しながら読んでいました。

 勝ちパターンがどういうのかはわかりませんが、
 力のありそうな人だなとはひしひし感じました。
  1. miyukichi  
  2.  
  3. 2007-08-12 15:34:13 
  4. #ubwH2qN2 
  5. [ 編集]

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暗いところで待ち合わせ/乙 一 [Book]
 乙 一:著 『暗いところで待ち合わせ』 暗いところで待ち合わせ乙一幻冬舎このアイテムの詳細を見る 初の乙さん。 昨年映画化されていて、 もともとこの作品を知ったのも、 映画が先でした。 (とかいいながら未見なのですが^^;;) Wikipediaの解説によると、
  1. miyukichin’mu*me*mo*    
  2. 2007-08-07 00:31:54  

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