ぶっき Library... プリズンホテル 冬 (浅田次郎)

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プリズンホテル 冬 (浅田次郎)

シリーズ第3弾。

基本的には前2作で出来上がった路線の延長線上です。ストーリーとしては『秋』よりおとなしめですが、舞台が極寒の山奥のホテルなのでこんなもんかな。
ただしシリーズ全体の中ではターニングポイントとなる重要な作品。甘ったれの主人公の作家がここで一山越えました。

主人公の愛人清子は第一作から出ずっぱりですが、この作品でようやく脚光を浴びます。わたしの限られた読書体験の中から探すと、どことなく『罪と罰』(ドストエフスキー)の清純な心を持つ娼婦ソーニャを連想させる特殊なキャラで、底知れない包容力の持ち主。非常識なまでに男にとって都合の良いキャラで、いかにもフィクションの世界の住人といった風情ですが、とにもかくにも印象的な人物像に仕上がっています。彼女が活躍するクライマックスは、シリーズ中最も印象に残る場面でした。

何人かのゲスト出演者についても癒しとか再生のストーリーが展開されますが、いずれも中途半端というか、説得力不足というか、オチ切っていないと感じました。「いじめ」とか「尊厳死」といった結論しにくい題材を選択してしまったのが原因かも。
prisonhotelxhuyu.jpg
  1. 2006-04-29 17:05:25
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