ぶっき Library... 沈黙 (遠藤周作)

ぶっき Library...
読んだものの感想を自由に。



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. -------- --:--:--
  2.  スポンサー広告
  3.  |
  4.   Top ▲ Home

沈黙 (遠藤周作)

無宗教なわたしが言うのもなんですが、クリスチャンだった遠藤周作氏が自分の信仰を真正面から真摯に描いた作品。なにしろ宗教弾圧下の江戸時代の日本を舞台にキリストの物語がなぞられ、最後に自分の宗教観が告白されています。

キリスト教について知識・関心があるにこしたことは無いでしょうが、無くてもスンナリと読めます。ストーリーは単純だし、文章は読みやすいし、葛藤の構図も至って明解。キリスト教の扱い方は、教義のディテールには立ち入らず、基本的かつシンプル。人間の内面のドラマとして普通に堪能できます。

テーマがテーマだけに真摯な気迫がこもっていて、それがドラマとしての緊張感につながっています。
淡々とした語り口ですけど、人はコロコロ死ぬし、拷問シーンも何度か出てくるし、何気に迫力があります。そして主人公(=密入国した外国人司祭)と幕府の役人との心理戦。飽きさせず、一気に読ませてくれます。
圧倒的な感じではありませんが、確かな手応えが残ります。

意外と細かい粗はあって、前半を書簡形式にしたことの効果がイマイチだとか、その書簡は外国人司祭の手になるにもかかわらず中身が日本人臭すぎるとか、この司祭の日本語の熟達度の描き方が乱暴だとか。


《お節介かもしれない補足》

巷では意外と“解釈”が問題になっているようなので(?)わたしの理解を付記しておきます。

この作品は「信じる者に救いの手を差し伸べない神は薄情だよね」とか「本当は神なんていないんじゃないの?」って話ではなくて、それは途中経過に過ぎなくて、最終結論としては「そもそも神は物理的に罰したり救ったりするような俗な存在ではなくて、信じる者と共にあって罪とか苦しみを一緒になって背負ってくれる形而上的な存在だったのさ」という話だと思います。だから「棄教という最大級の罪とそれに伴う苦しみをも神は引き受けてくれるはず!」ということではないでしょうか。

裏切り者のユダに対するイエスの態度についての主人公の解釈が種明かしだと思うのですが・・・
chinmoku.jpg
  1. 2006-04-30 11:57:41
  2.  その他の作家
  3.  |
  4.  Trackback(0)
  5.  Comment(0)
  6.   Top ▲ Home

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

   

コメント

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://notaro.blog64.fc2.com/tb.php/55-de7f9d02
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

最新の記事

カテゴリー NAVI

全体(HOME)

読書系
あ行
浅倉卓弥 (3)
浅田次郎 (5)
我孫子武丸 (2)
阿部和重 (7)
綾辻行人 (4)
有栖川有栖 (5)
伊坂幸太郎 (9)
いしいしんじ (3)
石田衣良 (2)
市川拓司 (4)
伊藤たかみ (2)
絲山秋子 (5)
歌野晶午 (7)
冲方丁 (2)
浦賀和宏 (3)
大江健三郎 (2)
大崎善生 (2)
小川洋子 (2)
荻原浩 (7)
奧泉光 (3)
奥田英朗 (3)
恩田陸 (2)

か行
垣根涼介 (4)
角田光代 (2)
金原ひとみ (3)
川上弘美 (2)
貴志祐介 (5)
京極夏彦 (2)
桐野夏生 (2)
栗田有起 (4)

さ行
重松清 (2)
島本理生 (3)
殊能将之 (4)
白石一文 (4)
瀬尾まいこ (3)

た行
多島斗志之 (3)
戸梶圭太 (2)

な行
中村航 (2)
二階堂黎人 (2)
西尾維新 (3)

は行
東野圭吾 (5)
樋口有介 (3)
古川日出男 (5)
保坂和志 (2)
堀江敏幸 (2)
本多孝好 (2)

ま行
舞城王太郎 (8)
松尾スズキ (2)
町田康 (3)
松岡圭祐 (3)
麻耶雄嵩 (5)
三浦しをん (2)
三崎亜記 (2)
水野良 (5)
宮部みゆき (5)
村上春樹 (15)
村上龍 (3)
森絵都 (3)
森博嗣 (7)

や行
横山秀夫 (2)
吉田修一 (3)
吉村萬壱 (3)
米澤穂信 (3)

わ行
綿矢りさ (2)


その他の作家 (44)


海外の作品 (9)



雑談系

このブログについて

最近のコメント

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

最近のトラックバック

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

リンク



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

ブログ検索

運営者

ひねもじら 乃太朗

40代の中年男子です。コメント、トラックバック大歓迎です。でも、変なのは消しちゃいます!

メールを送る
管理者ページ





Powered By FC2ブログ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。