ぶっき Library... Separation (市川拓司)

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Separation (市川拓司)

市川拓司氏のデビュー作です。“市川たくじ”名義で刊行されていますのでご注意を。
『Separation - きみが還る場所』と『VOICE』の2編が収録されていますが、読んだのは『Separation - きみが還る場所』のみ。ちなみにTVドラマ化されたそうです。

確かに村上春樹風の言い回しや演出が随所に。夢と現実が相互乗り入れしていたり、ファンタジックな要素がさりげなく織り込まれているあたりも似ています。
でも、猿真似って感じではなくて自分のスタイルとして消化されています。表面的には似ているけど、この作家独自の空気感が漂っていて、この作品の最大の魅力になっています。

中味は村上作品よりはるかに軟派(村上作品だって硬派じゃないのに・・・)。昔読んだ少女漫画を思い出してしまいました。説得力やディテールの作り込みとかは重視されていなくて、もっぱら情緒優位に展開していきます。

終盤、妻が幼児になって以降の緩さが気になってしまいました。そういうのが気になる性格なんです(笑)。
妻が肉体だけでなく精神的にも若返っていく設定だけど、そのあたりの描き方がどっちつかずで中途半端。奇妙な生き物になってました(著者は“両義性”という言葉で処理してたけど)。私見では、ホンモノの幼児っぽく描いた方が哀切感が高まったと思います。
また、男手一つで幼児を育てる状態になるわけだから生活面でも内面的にもいろんなドラマが生まれるはずなのに、奇麗事で流してしまっているのはいかにも。
それと、妻の実の両親が他人事みたいに傍観しちゃっているっていうのはどうなのよ!?ありえなくない???
序盤から中盤にかけては、スムーズで雰囲気たっぷりな文章と若返りという意外な展開に引き込まれかかったのですが、肝心の終盤で興が殺がれてしまいました。引っかかるポイントが1つくらいだったらやり過ごしますが、2つ3つと重なるときついです。

雰囲気本位というのは嫌いではありませんが、作り込みが甘すぎると辛いです。とは言え、もう少しディテールを作り込んでくれたら楽しめそうな気がするし、このくらいのシンプルなストーリーだったらできると思うので、期待を込めてさらにいくつか読んでみます。
separation.jpg
  1. 2006-04-30 06:19:59
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