ぶっき Library... ふたりの距離の概算 (米澤穂信)

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ふたりの距離の概算 (米澤穂信)

古典部シリーズの5冊目。

4冊目の『遠まわりする雛』はまだ採り上げていない。『遠まわりする雛』は短編集ですね。短編集は、個人的に読むのが面倒くさいし、感想の記事をまとめるのはもっと面倒くさい。だからスルーしました。いずれ記事にするかもしれませんが・・・

5冊目は、主人公たちが高校2年になっている。で、古典部に新入生を迎えるのだけどトラブル発生、というようなお話。

主人公が学校行事のマラソン中に真相究明を試みる、という仕掛けはトリッキーでおもしろい。まあ、主人公が解明できることは分かっているのだけど、「どうやって」という興味は湧く。
しかも、ヒロイン千反田がからむ人間関係のもつれということで、彼女のキャラを知るシリーズの読者としては、先行きが気になってしまう。
そこに、1学年進級した古典部の面々の人間模様みたいなものが散りばめられている。
さらに主人公の成長と言うか心境の変化が、シリーズの通奏低音のひとつになっている。

このシリーズ、ライトノベル感覚で読んできたけれど、造り込みはライトノベルを超えているかも。一作一作ていねいに作られている感じが伝わってくる。

ただ、「部分最適、全体不適」のまだるっこしさもシリーズに共通している。
とりあえず、トラブルの軸になる新入生のキャラが、思い込みが強くて面倒くさい。だから、彼女の側の真相が分かっても、どうでもいい感じ。そんな彼女がストーリーのエンジン役になっているので、読んでいて勢いがつかない。
キャラの感じ方は人それぞれだけど、シリーズの過去作でも、(話をおもしろくするための)ご都合主義の産物的な変なキャラが気になった。

もうひとつ。マラソン大会という舞台設定だから、ある程度はやむを得ないのかもしれないけれど、マラソン関連の描写は退屈で読み飛ばしてしまった。
思い出してみると、シリーズ3冊目『クドリャフカの順番』では、舞台設定の文化祭がしっかりストーリーに組み込まれていたから、読み飛ばすことはなかった。
それと比べてしまうと、本作でのマラソン大会という舞台の使い方は、通り一遍ということになるのかも。

古典部シリーズは、良いところも物足りないところも安定していて、トータルとしては楽しめる。主要な登場人物たちの今後もちょっと気になる。



  1. 2012-10-13 14:21:29
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