ぶっき Library... 漢方小説 (中島たい子)

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漢方小説 (中島たい子)

31歳の未婚女性の屈託と目覚めが軽やかに描かれている。

原因不明の不調で救急車のお世話になった主人公は、病院をはしごするうちに漢方に出会う。漢方を知るにつれて、主人公は、変化を恐れ、その恐れを克服しようとしていた自分に気づき、変化を受け容れる生き方に目覚める。
目新しさは無いものの、なかなかいいお話。

物語の軸である主人公とイケメン漢方医(?)との絡め方が淡いとか、全体に人物の存在感が薄いとか、ドラマとしての密度・濃度は乏しい。ただ、この薄さ・軽さはプラスともマイナスともとりうる。判定は読者のポジションに左右されそう。
というのは、この手の小説(とある属性の人物を等身大に描くタイプの小説)では、主人公に近い境遇の読者はもともと作品世界に同調しやすいから、重苦しいテイストだともたれてしまいかねなくて、むしろ『漢方小説』の軽さは好ましいかもしれない。
おそらく、そんな読者を念頭に置いた作品だろうから、だとしたら、的を射た出来栄えと言えそう。

小説の中身によっては軽さ・薄さが弱点になりうる気がするし、個人的にはこの作品でもちょっと気になったけれど、総合的には、日常の中での何気の無い出会いと心の変化が、簡潔かつ軽やかに描かれた快作、といえそう。
kanpousyosetu.jpg
オンライン書店ビーケーワン

  1. 2007-03-26 18:53:44
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