ぶっき Library... 火事と密室と、雨男のものがたり (浦賀和宏)

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火事と密室と、雨男のものがたり (浦賀和宏)

松浦純菜シリーズ第2弾。
第1弾『松浦純菜の静かな世界』と同じテイストながら、やや肩透かし。いや、第1弾も出来が良いというのではない。いろいろ粗はあるけれど、今後のシリーズの展開に興味を掻き立てられた、というところ。第2弾には、むっくりと頭をもたげた好奇心を満たす何かを期待したけれど、第1弾の世界観をおさらいしている感じで、物足りない。

前作のラストシーンにかすかな光明を予感したのだけれど、見当ハズレだったみたい。
確かに松浦純菜との出会いは主人公八木剛士にとって光明の兆しなのだけど、同時に彼のコンプレックスや対人不安に拍車をかけられる。第1弾と異なり松浦純菜の内面はベールに隠されるので、もっぱら彼の心象の執拗な描写が連ねられ、第1弾以上に淀みが濃くなっている。

ちょっと面白く感じたのは、新たに引きこもりキャラが登場するのだけれど、このキャラに対する主人公八木剛士(引きこもり寸前?)の心の揺れ。第1作と同様に演出の上手さはないけれど、屈折した心理が容赦なくさらされる。ここでも浦賀和宏の入れ込み様は一通りではない。

克明に描写される主人公への虐めの数々は、あまりにも子供じみていて、そのためにかえって切迫感が薄らいで感じられるのだけれど、いまどきの虐めはこんなものなのだろうか?いまどきといっても、作者は1978年生まれだから、10年くらい前のいまどきかもしれないけれど・・・
matuurajunna2.jpg
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  1. 2006-09-02 00:33:40
  2.  浦賀和宏
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