ぶっき Library... 四日間の奇蹟 (浅倉卓弥)

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四日間の奇蹟 (浅倉卓弥)

ネタバレっちぁネタバレです。

第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作ですがミステリーではありません。

死に瀕した女性の人格が他人に乗り移って自分の人生を見つめ直す、という展開を軸に、登場人物たちの心の癒しと救済が描かれた感動作。と言っても重苦しい話ではなくて、そこそこ長いにもかかわらず一気に読めてしまいます。

死に瀕した女性の人格が他人に乗り移る、という筋立てには前例がありますが、当然作者はそれを分かった上で執筆したのでしょうから、オリジナリティを云々するのは野暮でしょう。どう料理しているかがポイントだと思います。

こういうタイプの作品ではプロットにモロに作者の人生観が反映されます。人生観が浅薄に感じられたり、人生観をプロットに因数分解していく手並みが拙く感じられると、わたしの心は凍りついてしまいます。「泣ける」という触れ込みの小説がまるで心に響いてこない場合、大半はここがネックになっています。個人的には、この点がクリアされているなら他の部分ではかなり妥協出来ます。

『四日間の奇蹟』は、一つの出来事を通して複数の登場人物の癒しと救済を描き切る、という高いハードルを危な気なくクリアしていると思います。謳われている人生観そのものはさして奥深いものではなくて、むしろありがちな感じなのですが、とても丁寧に扱われていて説得力があります。テーマが登場人物たちの言動に無理なく結びついていて、安心して読み進めます。気持ちよく作者の敷いたレールに乗れて、心置きなく感動に浸れました。

ラストの落とし方には好みが分かれるかもしれません。主人公=語り手の癒しと救済の場面はちょっと作り過ぎているように感じられました。ただし、この手の作品では誰もが満足する幕引きというのは難しいと思います(読者の思い入れが強く出てしまいがちだから)。
ついでに言うと、ヒロイン(真理子)はすごいおしゃべり女で、他人のプライバシーとかジャンジャンしゃべりまくるのですが、ちょっとウザイ感じがして感情移入の妨げになりました。
あとは、ところどころ(療養所のシステムや人物の紹介、ヒロイン(真理子)の過去等)説明臭くなるのが気になりました。
とは言え、いずれも爽やかな感動を損なうほどのキズでは無い、と感じました。

yokkakanxkiseki.jpg
  1. 2006-04-29 17:00:27
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