ぶっき Library... クワイエットルームにようこそ (松尾スズキ)

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クワイエットルームにようこそ (松尾スズキ)

第134回芥川賞候補作。なので純文学かと思ったけど微妙。饒舌な語りは純文学風と言えなくはないけど、人物の描き方とかストーリーは完全にエンタメ。『文學界』に掲載されたということで芥川賞ノミネートなのかも。
もちろん純文学でなくてもまったく問題なくて、実際楽しませてもらった。

主人公はフリーライターの女性で、(本人にとっては)ひょんなことから精神病院の閉鎖病棟に強制入院させられてしまう。

彼女の語りは饒舌で、語られる内容には精神科的な意味でのグロさがあるけれど、そのわりに語り口に狂気が感じられなくて、むしろ読み手に対するサービス精神が旺盛。良くも悪くも、作者のエンターティナーとしての資質が前に出ている。
当人に自覚が無いとは言え、薬物の過剰摂取は事実だから、狂気の片鱗か、あるいはそれに対する恐怖感、なんてものを語り口ににじませてくれると嬉しかった。

それ以外の点では満足。舞台や映画を手がけているから話し言葉で物語を構築するのはお手の物だろうし、エンターテイメントの最前線で活躍している人らしいツボを押さえた演出が楽しい。
個性的で面白いキャラクターが続々登場するし、ひとり語りや会話の面白さもバッチリ。あちらこちらで笑えて、程好く毒があって、心温まる展開もあって。とてもよく出来た娯楽作。

でも、冒頭のゲロのシーンは気持ち悪い。こんなシーンばっかりだったらどうしよう!?と不安に駆られたが、幸いにして杞憂だった。
quietroom-yokoso.jpg
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  1. 2006-07-21 08:36:24
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コメント

すのさん、コメントありがとうございます
レスが遅くなりました。
どちらかというと直木賞寄りですよね。エンターティメントと割り切って読みました。
  1. ひねもじら 乃太朗  
  2.  
  3. 2006-08-26 17:12:43 
  4. #mQop/nM. 
  5. [ 編集]
どうなんでしょうね?
今更ながら読みました。正直、少し期待してたのですが、いまひとつ深みの不足を感じました。エンターティメントと割り切れば、それはそれでいいのでしょうが・・。
少なくとも芥川賞候補はやりすぎでしょう。
  1. すの  
  2.  
  3. 2006-08-22 22:03:31 
  4. #mLrVhXOU 
  5. [ 編集]

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