異世界ファンタジーとミステリーを合体させたような、不思議な味わいの作品。異世界(=架空の島)のメルヘンチックな描写に独特の味わいがあって、なかなか個性的。
異世界の作り込みはわりと大雑把だけど、ユニークで生き生きとしたキャラたちのおかげで独特の世界に浸れます。メルヘンチックな味わいで、いい感じ。
そしてストーリーテリングがたくみ。異世界や人物たちの紹介中心の序盤はもどかしかったけど、いざ物語が動き始めると引き込まれた。異世界での事件、現実世界での事件、「島(= 異世界)に欠けているもの」の正体、苦しい場面で逃げだす主人公の行動パターン、主人公と元恋人の関係などなどの複数のラインが、エンディングで連鎖的に決着される手際はお見事。ミステリーっぽい味付けですが、精緻な謎解きより、ストーリー展開を楽しむタイプ
異世界(=架空の島)と現実世界(=仙台)が並行して描かれるけど、後者が手薄なせいか、2本立てにした効果が弱いかも。また、ラストで2つの流れが交わるけれど、再会する主人公と元恋人の心情が深掘りされていない感じで、感銘が軽くなってしまったのは残念。
ところどころ緩い感じだけど、デビュー作としては十分な手ごたえだし、何よりも、巧みなストーリーテリング、魅力的な人物造形、スケールの大きな幻想と、好みにピッタリ。この才能に大きな期待感を覚えました。

- 2006-04-30 00:45:22
- 伊坂幸太郎
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友人の勧めで伊坂幸太郎の著書を読んでみたくなり、古本屋に行った。何冊かあった中からデビュー作の『オーデュボンの祈り』を買った。
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