ぶっき Library... 一瞬の光 (白石一文)

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一瞬の光 (白石一文)

この作家のデビュー作です。

相性が悪いと言うか、これまでに読んだ2作品で同じ種類のモヤモヤとした読後感が残ったので敬遠していた作家ですが・・・アクセス解析をチェックしていたら、この作家名で検索して来られる方が意外と多いので、もう少し充実させよう、ということで読んでみました。動機としてはちょっと不純。

大企業内での権力抗争と、恋愛の2つの流れがあって、仕事人間が愛に目覚める、みたいな構成になっていますが、連携がいまいち円滑ではなくて、別々の話が同時進行している感じ。チグハグということになりますが、それぞれの流れはなかなか読み応えがあります。

作家一家に育っただけに、それなりに腕を磨いてきたのだと思いますが、とてもデビュー作とは思えないくらいに、文章の密度が高くて、安定感があります。
それと、派手な演出はありませんが、先を予測させない展開。前述のチグハグさもあって、分量は過剰気味ですが、そのわりに緩みを感じさせません。

でも、またもやモヤモヤとした読後感。気質的に合わないみたいですね。
モヤモヤということは、ハッキリしていない状態。明らかな拒否反応ではない。むしろ、概ね肯定的なのだけど、ある部分がひっかかって、そのひっかかりが個人的には看過し難い。そんな感じです。

(以下ネタバレ)
この主人公=語り手は顔良し、頭良し、運動神経良しのスーパーエリートという設定で、敵対者や見限った相手には容赦しない酷薄なキャラ。そんな彼が、仕事を捨てて、植物状態の女性への愛に目覚める、という展開は一見感動的なのですが、そのために、意に染まない部下を左遷するように、それまで付き合っていた別の女性を切り捨ててしまうのですね。気持ちが切れたら別れるのは仕方が無いとしても、切り捨てるような別れ方はシックリしません。身勝手さはそのままで、仕事から恋愛に宗旨替えしただけ、のようにしか見えなくて、読後感が濁ってしまいました。最後まで主人公の我執は消えなかった、というのは現実的な幕の引き方ではあるけれど、どうしてもカタルシスは弱くなります。
狙ってこうしたのか、作者の人間性の発露なのか・・・
isshunxhikari.jpg
  1. 2006-06-07 15:04:29
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コメント

rieさん、コメントありがとうございます
そうですね。作者が意図しないままに、男の身勝手な世界になっているように思えました。良くも悪くもイタイ作家だと思います。
  1. ひねもじら 乃太朗  
  2.  
  3. 2008-05-28 00:39:22 
  4. #mQop/nM. 
  5. [ 編集]
今さらですが
つい昨日読み終えて、まったくすっきりせずネットで書評をいろいろ読んでみたのですが、こちらの書評がいちばん納得でした。
こういってしまうと実も蓋もないのですが、私にはただ主人公の身勝手な男性の自己満足の物語に思えて仕方ありませんでした……
筆力はすごい方だと思うんですけど(^^;
  1. rie  
  2.  
  3. 2008-05-22 12:29:30 
  4. #3un.pJ2M 
  5. [ 編集]

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