第5巻『王たちの聖戦』は、シリーズ中盤の山場を形成する第3巻〜第4巻(『火竜山の魔竜』上下巻)と、(未読なので想像だけど)シリーズの掉尾を飾るはずの第6巻〜第7巻(『ロードスの聖騎士』上下巻)とに挟まれています。つなぎ的な印象が無きにしも非ず。
3話構成になっていて、連作短篇〜中篇集のノリです。各話の舞台はロードス島内の異なる3つの国で、主人公たちが侵略者撃退に助太刀し、各国の為政者たちに恩を売る、というパターンが繰り返されます。それぞれは外伝的冒険譚として楽しめますが(とは言え、次巻以降の流れを左右しそうな出来事がところどころ散りばめられています)、一冊通してのテンションは控え目。
各巻毎にテーマとかトーンを変えてくるこのシリーズ。
本書では、3つの冒険(戦い)を通して、主人公は各国の王たちと共に戦いながら、彼自身王に立つことを請われ、王とはなんなのか?自分は何をしたいか?に思いを巡らせます。
ここまでの主人公の活躍ぶりからして、王になることを望まれる、という展開には少し無理を感じます。本人が謙遜して固辞するから、筋は通っていますけど・・・
第3巻・第4巻(『火竜山の魔竜』上下巻)でも触れましたが、主人公のキャラが第2巻以降膠着気味。戦士としての成長は描かれているけれど、それ以外の面では思考や行動のパターンが固まっていて、面白味は今ひとつ。恋仲のエルフ(≒妖精)との関係も然り。このあたりが限界なのかも・・・
筆致は前作と同様に危な気が無くて、安心して楽しめます。
いよいよ第6巻〜第7巻(『ロードスの聖騎士』上下巻)はシリーズ完結編。第5巻はその布石という意味合いがあるのかな?
ここまで来たら、シリーズ制覇します!(読みやすいから、気合入れる必要は無いけど・・・)

- 2006-05-30 20:32:08
- 水野良
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