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ロードス島戦記3,4 - 火竜山の魔竜 (水野良)

『ロードス島戦記』第3巻・第4巻は『火竜山の魔竜』上下巻に相当します。

17年も前に刊行された本にこんな誉め方はどうかと思いますが・・・第1巻、第2巻の感想で指摘した物足りない点にきっちりと対応されていて、着々とバージョンアップ!

第1巻『灰色の魔女』での不満は2点。
1点目はストーリー展開が駆け足になっていることで、これは第2巻で修正されていて、この『火竜山の魔竜』でもOKです。
2点目は、主人公(人間)とエルフ(≒妖精)の女の子の恋愛模様に、異なる種族であることに起因する心の綾が感じられない点。ごく軽い扱いなので物足りませんが、第3巻でようやくフォローされています。

第2巻『炎の魔神』は、第1巻に比して密度はアップしていますが、作者の目線が主人公に集中しがちで、物語として広がらない恨みがあります。
『火竜山の魔竜』では、脇役たちがクローズアップされて、群像劇としての広がりが感じられます。この点が『火竜山の魔竜』の最大の収穫ではないでしょうか!?

“支配の王錫”(強力な魔力を持つ宝物)争奪戦と狂戦士オルソンの心のドラマが物語の屋台骨になっていて、つまり複線的な構成ですが、これを背景に各キャラがこれまで以上に活き活きと振舞っています。
意地の悪い見方をすれば、主役の二人のキャラが弱いので(型にはまり気味)、この二人を軸に何巻も引っ張り続けるのは厳しそうだから、丁度いいタイミングで目先を変えたと言えるかも。

イラストの雰囲気から軟派なイメージを持たれるかもしれませんが、そう思いながら読むと意外にシリアスで、前述の狂戦士オルソンの心のドラマなんかは、ありきたりな感じではなくて、作者としての人の心に対する洞察が映し込まれています。

というわけで、前2巻の基本的な部分での引っ掛かりが解消されて、ラノベ寄りの冒険系ファンタジーとして過不足を感じさせない仕上がり。このジャンルのパイオニアとなったことが納得できる読み応え。

しかし読者とは欲深いもので、基本的な部分での引っ掛かりが解消されても、全面的に満足ということにはなりません。
ストーリーの一方の軸である“支配の王錫”(強力な魔力を持つ宝物)争奪戦の盛り上げが今ひとつ。じっくりと引っ張ったわりにあっけない幕切れで拍子抜け。ここはもう一押ししてくれなきゃ!
もう一点は贅沢な不満なのだけど、上で主役のキャラが型にはまっていると指摘しましたが、これはすべてのキャラに当てはまって、各々個性的ではありますが、みんながその個性の範囲内でお行儀良く振舞っていて、だから違和感は生じにくいけれど、意外性とか驚きは控えめ。これは、ここまでの4冊の印象ですが。
lodostosenki3-4.jpg
  1. 2006-05-28 07:20:56
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