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セカチューを叩きつぶせ!

《セカチューを読みたくなったきっかけ》
『世界の中心で、愛をさけぶ』は通常だったら手を出さなタイプの作品です。この本を読もうと思ったのは、ご存知メッタ斬りコンビによるこの記事を読んだから(下段です)。
原文を読んでもらうのが一番ですが、主要なところを以下に抜粋しておきます。

大森氏:
(前略)・・・今、文芸全体のテーマって『世界の中心で、愛をさけぶ』をどうするかってことじゃないですか。「作家なら、ぐだぐだ陰口言ってないであれを正面から叩きつぶしてこい!」と(笑)。「好き好き大好き超愛してる。」はちゃんと叩きつぶしにいってる作品なんですよ。

大森氏:
舞城王太郎は『DEEP LOVE』や『世界の中心で、愛をさけぶ』で泣いてる女子高生にどうやったらメッセージを伝えられるのか、たぶんちゃんと考えてる。だから、「愛は祈りだ。僕は祈る」なんだよ。文芸誌なんか知らない読者にも伝わるように、思いきり素朴に、カメラに向かって正面から語ってる。・・・(後略)

豊崎氏:
『世界の中心で、愛をさけぶ』ってむき出しに俗情と結託しているわけじゃないですか。俗情って何かっていうと、“メタ化”されてしまったものですよね。・・・(中略)・・・ある種の安い共通理解のもとに、これは愛です、恋です、人が死ぬと悲しいです、女の子は白血病で死ぬべきですみたいな“メタ化”された設定しか出てこない「セカチュー」には、リアルな感情は描かれてないと思う。・・・(後略)

最初にこの記事を読んだときは(『セカチュー』を読む前のことです)、中身よりもプロモーションでバカ売れした『セカチュー』とその愛読者たちを揶揄しているのかな?と思いました。でもよく読むとそれだけじゃ無さそう。揶揄にありがちな、高みから見下ろすような余裕が感じられません。二人(特に大森氏)の論調はかなり攻撃的だと思いませんか?

《業界の危機感》
で、『セカチュー』を読んでみて何となく分かったような気がしました。ひょっとしたらこれはかなり危険な小説かも。いや、危険なのはこの作品ではなくて、これがバカ売れしてしまったという事実の方ですね。

『セカチュー』って技量の面でも内容的にも素朴な作品で、個人的に意外だったのは、小説慣れしていない読者をたぶらかすようなあざとさすら見当たりませんでした。

あの手この手を駆使してもさっぱり本が売れない時代に素朴な『セカチュー』が一人勝ちしたということは、作家を含めた業界人たちのプロの仕事に対する一般大衆の関心の低さの表れとも言えるわけで、今さらではありますが業界関係者の危機感が煽られたとしても不思議ではないと思います(『セカチュー』の著者、片山さんもプロの作家なんですが・・・)。
そう、業界ぐるみで仕掛けて売った綿矢りささんあたりとはまるで別次元の事件なのです、たぶん。

《『超愛』は『セカチュー』を超える?》
前述の記事を読む限りでは、大森氏や豊崎氏はもう手遅れかもしれません。『超愛』なんて典型的な小説オタク小説が「文芸誌なんか知らない読者にも伝わるように、思いきり素朴に、カメラに向かって正面から語ってる」と感じられる段階でかなりずれてると思うし、「“メタ化”された設定しか出てこない「セカチュー」には、リアルな感情は描かれてないと思う」なんて小説オタクにしか通用しない感覚だと思いませんか?オタクの嗜好や感性を一般大衆に押し付けるのは無理ですよね。一味違う嗜好や感性があればこそのオタクなわけだし。両氏は既にオタク・スパイラル(オタク的発想で脱オタクを語ろうとしてドツボ)にはまってますねぇ。

小説の力を一般大衆に認めさせるという役割を『超愛』に期待するのは無理でしょう。面白い作品ではあるけれど、あくまでも小説オタク(ほっといても小説を読む人たち)にとっての面白さなので、突破力は期待しにくいと思います。

そもそも『セカチュー』を叩けみたいな足の引っ張り合いをしている時点でダメかも。

《わたしが望むのは・・・》
などとまるで業界通であるかのように御託を並べてしまいましたが、前述の記事と『セカチュー』『超愛』の印象から妄想を膨らませただけなので、変なことを言っているかもしれません。

わたし自身はとにかく面白い小説が読みたいだけなので業界人の立場とかには関心が無いのですが、面白い本を発行し続けられる程度には栄えてくれないと困りますね。
  1. 2006-05-03 11:18:03
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