ぶっき Library... 犬はどこだ (米澤穂信)

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犬はどこだ (米澤穂信)

評判が良いようなので手に取ってみました。冴えない脱サラ探偵という設定が好みだし。

大きなところが2つ気になって、読み応えとしては物足りなかったけど、エンターテイメントとして楽しめました。

気になったところの1つ目は、事件がショボすぎるだろ、ということ。なんてこと無さそうだった案件が、調べるうちにドンドン大きくなって・・・みたいな盛り上げを期待したのですが、終始こじんまり。
ちんたら調査していた探偵が事件の背景を知るに至って気概を見せる、というお約束の展開ですが、肝心の事件がこれなので、盛り上がりはほどほど。ひねりが効いているだけに、残念。

もう1つは、行方不明になった女性が、『火車』(宮部みゆき著)みたいに、本人はほとんど登場しなくて、もっぱら探偵の調査によって造形される、という手法が採られていますが、ちょっと物足りない。意表を突くという点では巧みなんですが、人となりが伝わってこなくて、そのぶん作品が薄くなっていると思う。

というような不満はあるものの、これ以外の点ではかなりよく出来ていて、キャラは立ってるし、ひねりは効いているし、ユーモアもあるし、こなれた文章はとてもいい感じ。探偵が行方不明の女性に自分をダブらせるあたりは、ちょっと無理を感じたけれど、心理的な部分まで配慮されていることには好感。なかなか楽しい小説でした。
inuxdokoda.jpg
  1. 2006-05-03 11:08:09
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