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クチュクチュバーン (吉村萬壱)

『クチュクチュバーン』『人間離れ』の2作品が収録されています。

ともに近未来SF風のパニック小説で、人類にとっての極限状況が描かれています。『クチュクチュバーン』では人類の変態、『人間離れ』では異生物による攻撃。
状況や背景の説明は最低限度。そのせいかSF臭さは無くて(SFだと状況や背景を科学的に説明しますよね?)、繰り広げられる描写の生々しさが前面にでている印象です。

いきなり始まって、ひたすらグロテスクでバイオレンスな描写が、無機的な語り口で小気味良くスピーディーに展開していきます。
オーソドックスな起承転結型の構造は完全に放棄されていて、導入後はひたすら想像力のパワーと瞬発力とスタミナで押しまくるだけの、“肉を切らせて骨を断つ”的な捨て身のスタイル。2作品とも長い作品ではありませんが、とにもかくにもラストまで読者を引きずり回します。想像力のあっぱれな全力疾走(短距離だけど)。
こう書くとなんかカッコ良さそうですが、繰り広げられるイメージはゲロゲロ。

『クチュクチュバーン』の方はラストで意味ありげなオチ(人間とは?みたいな)がつけられていますが、味わうべきはそれに至るまでの想像力の躍動感でしょう。『人間離れ』も同様です。
それを楽しめるかどうかにかかっています。

奔放さと奇想天外さは『クチュクチュバーン』、バイオレンスなら『人間離れ』。人の命や尊厳(?)を虫けらのように扱う容赦の無さとグロテスクな気持ち悪さはどちらもいい勝負。このあたりは滅茶苦茶好き嫌いが分かれそう。嫌いな人にはひたすら気持ち悪いだけかも。

かなり荒削りだし、2作品とも極端な性格の同タイプの小説なので作家としての総合的な力量は判断できませんが、吉村氏がいろんな意味で只者でないことは間違い無さそうです。
kutyukutyubarn.jpg
  1. 2006-05-03 11:06:52
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「クチュクチュバーン」 吉村萬壱 2007-031
吉村萬壱のデビュー作「クチュクチュバーン」読了しました。amazonリンク 吉村 萬壱クチュクチュバーン 出版元文藝春秋初版刊行年月2002/02著者/編者吉村萬壱総評21点/30点満点中採点の詳細ストーリ性:3
  1. 流石奇屋~書評の間    
  2. 2007-03-03 08:38:42  

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