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すべてがFになる (森博嗣)

人気シリーズの第一作であり、森氏の出世作でもあります。

このシリーズは数年前に全巻読みました。記憶が薄くなっているのでここにアップするに当たって再読しました。この手の娯楽小説は、余程のことが無い限り再読すると色褪せて感じられます。このシリーズも例に漏れません。ちょっと突き放したようなコメントになりそうですが、シリーズ物を全巻読むことは少ないので、初読のときに面白く感じたことは間違いありません。

一言で言って、売れることを狙って吟味された戦略的作品です。初読のときはそんなことは考えませんでしたが、再読して実感しました。
まず、主要キャラの打ち出しが明解で効果的。ミステリーの探偵役は、常人以上の頭脳と観察力の持ち主であることが多いのですが、『すべてがFになる』では天才的頭脳の持ち主としてぶちかましてきます。その一方で、主役の2人のやり取りは軽妙であるばかりか、ラブコメの要素があります。このメリハリの利いた演出は効果的。あっというまに主役の2人が身近になりました。後述の通り人物描写自体が優れているとは思いませんが、キャラ作りは上手いと感じます。
森氏のキャッチフレーズは理系ミステリーでした。シリーズ通しての印象としては、トリックや会話の内容が理系寄りではあるものの、必ずしも専門性が高い訳ではありません。専門的でありすぎると、読者の間口が狭まってしまいます。理系っぽい雰囲気を持ちながら、文系の読者でも楽しめるように作るのがミソ。森氏はこのあたりをうまくやっています。『すべてがFになる』はシリーズの中では相対的に専門性が高くなっていますが、第一作目としてのイメージ作りは上々。
真賀田博士と主役の2人との会話を通して、作品独自の世界観とか主役のキャラの深みを感じさせる演出も巧みです。中味を伴っているかどうかはその後の作品で明らかになっていきますが、シリーズ一作目の仕込みとしては効果的。
いい意味でよく計算された作品と感じました。そして、計算通りの効果を発揮するのは簡単ではないと思いますが、この作品は成功させています。

事件とかトリックの印象は薄いです。読了後頭に残ったのは、ウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体のイメージくらい。

森氏は、キャラ作りは達者だけど、人物造形はかなり表面的・類型的です。そのために事件が人間のドラマとして展開されていません。ふっちゃけると、初読のときは話の展開への興味で読み進めましたが、再読にはまるで耐えられませんでした。

ミステリーというよりもユニークな歳の差カップルのラブコメという路線が、第一作目にしてわたしの中で確定してしまいました。個人的にはそういう読み方の方が入り込みやすいです。
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  1. 2006-05-03 00:48:47
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