ぶっき Library... スプートニクの恋人 (村上春樹)

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スプートニクの恋人 (村上春樹)

村上氏の長編小説の中にあって『スプートニクの恋人』はやや異質な作品です。
ファンタジックな性格が控え目な恋愛物という意味では『ノルウェイの森』『国境の南、太陽の西』に近い持ち味です。
ただし、出来事の大半において「ぼく」が報告者というポジションにいるのは目新しいかも。出来事のほとんどはもっぱら二人の女性(「すみれ」と「ミュウ」)の間で起こり、「ぼく」は二人からの伝聞を元に語っています。
そして、「ぼく」のキャラはこれまでになく控え目で平凡。仕事だけ見てもお堅い教職員であり、ヒロインを追いかけてギリシャに飛ぶけれど、仕事優先で事件未解決のまま夏休み明けには帰国します。受け持つクラスの児童による万引きというハードボイルドではない事件に頭を抱えたりもします。村上氏の長編の語り手の中では飛び抜けて普通の人です。
つまり、従来の村上作品で大きな魅力になっていた、主人公兼語り手による個性的な実況中継的語りが、『スプートニクの恋人』では相当程度放棄されています。
それだけに、この作品では二人の女性の物語の面白さにウェイトがかかりそう。

あいにくと二人の女性に対して感情移入できませんでした。わたしが同性愛的な感覚にうまく同調できない、ということもありそうですが、演出面で不満が残りました。「すみれ」と「ミュウ」のエピソードが薄いし、「ミュウ」の内面が不透明に過ぎるような。語り手である「ぼく」の「すみれ」に対するの思いは確かに伝わってきたけれど・・・

でも、スタイルの面では、これまでの殻を破ろうとした意欲作なのでしょう。
suputoniquxkoibito.jpg
  1. 2006-05-03 00:41:17
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コメント

その3
うーんそうですか。
私はこの作品を、一種の文章の記念碑ではないかと思っています。村上春樹の文章のある種の美しさをここでは過剰に存分に使い、コレ以後はそういった過剰さは控える、その最高峰の記念碑ではないかと思っています。そう考えると最初のわけのわからない文章も理解できるような気がします。
内容的にはぼくのすみれに対する喪失感、すみれのミュウに対する喪失感がメインにあると思いますが、これはいつもの主題ながら記念碑的文章もあいまって、私としては納得できるラインでした。
  1. bookbath  
  2.  
  3. 2007-04-07 00:21:11 
  4. #- 
  5. [ 編集]

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『スプートニクの恋人』 村上春樹著 講談社 1999
セカンドライフを薦められているけれど、そもそもファーストライフでいっぱいいっぱい...
  1. まろまろ記    
  2. 2007-06-12 05:02:50  

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