ぶっき Library... 羊をめぐる冒険 (村上春樹)

ぶっき Library...
読んだものの感想を自由に。



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. -------- --:--:--
  2.  スポンサー広告
  3.  |
  4.   Top ▲ Home

羊をめぐる冒険 (村上春樹)

長編3作目の『羊をめぐる冒険』は、現実と非現実を交錯させるファンタジックな路線を決定付けた作品。青春3部作の完結編という位置づけをされているようですが、むしろ、すべてはここから始まった、という見方をしています。その後の作品で核となるモチーフがここで提示されています。完結は同時に次のステップへのスタートでもあったということでしょうか。

その後の作品に比べるとかなり薄味です。暗喩の使い方とかシンプルで、もう少し捻りが欲しいし、タイトルに冒険と入っているわりに冒険らしきものは無いし・・・。ちなみに鼠についてそれらしい解釈を加えるには本書だけでは情報不足なので、前作を読んだ方が良さそうです。

物語性が薄味であるかわりに前2作に通じる軽みや透明感が強いようです。暗かったり湿っぽい気分をパステル調とでも言いたくなるような軽さ・淡さで表現しているのは独特。ある種の気分を演出するためにストーリー上の脈絡に関係なくエピソードを散りばめる、といったような初期作品で愛用された手法はここでも活きています。終盤での山の牧場にたどり着いて以降は写実的で彫りの深い文章になっていますが、作品全体としては初期作品ならではの軽やかで透明な雰囲気が優位と感じられます。

ある意味過渡期の作品であり、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』以降の作品で顕著になる物語性(の片鱗)と、初期作品の特徴である透明で軽やかな空気感の両方を味わえるところが『羊をめぐる冒険』の最大の魅力かも。
hitujixmeguruboken.jpg
  1. 2006-05-03 00:36:31
  2.  村上春樹
  3.  |
  4.  Trackback(0)
  5.  Comment(0)
  6.   Top ▲ Home

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

   

コメント

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://notaro.blog64.fc2.com/tb.php/190-3efe1337
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

最新の記事

カテゴリー NAVI

全体(HOME)

読書系
あ行
浅倉卓弥 (3)
浅田次郎 (5)
我孫子武丸 (2)
阿部和重 (7)
綾辻行人 (4)
有栖川有栖 (5)
伊坂幸太郎 (9)
いしいしんじ (3)
石田衣良 (2)
市川拓司 (4)
伊藤たかみ (2)
絲山秋子 (5)
歌野晶午 (7)
冲方丁 (2)
浦賀和宏 (3)
大江健三郎 (2)
大崎善生 (2)
小川洋子 (2)
荻原浩 (7)
奧泉光 (3)
奥田英朗 (3)
恩田陸 (2)

か行
垣根涼介 (4)
角田光代 (2)
金原ひとみ (3)
川上弘美 (2)
貴志祐介 (5)
京極夏彦 (2)
桐野夏生 (2)
栗田有起 (4)

さ行
重松清 (2)
島本理生 (3)
殊能将之 (4)
白石一文 (4)
瀬尾まいこ (3)

た行
多島斗志之 (3)
戸梶圭太 (2)

な行
中村航 (2)
二階堂黎人 (2)
西尾維新 (3)

は行
東野圭吾 (5)
樋口有介 (3)
古川日出男 (5)
保坂和志 (2)
堀江敏幸 (2)
本多孝好 (2)

ま行
舞城王太郎 (8)
松尾スズキ (2)
町田康 (3)
松岡圭祐 (3)
麻耶雄嵩 (5)
三浦しをん (2)
三崎亜記 (2)
水野良 (5)
宮部みゆき (5)
村上春樹 (15)
村上龍 (3)
森絵都 (3)
森博嗣 (7)

や行
横山秀夫 (2)
吉田修一 (3)
吉村萬壱 (3)
米澤穂信 (3)

わ行
綿矢りさ (2)


その他の作家 (44)


海外の作品 (9)



雑談系

このブログについて

最近のコメント

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

最近のトラックバック

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

リンク



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

ブログ検索

運営者

ひねもじら 乃太朗

40代の中年男子です。コメント、トラックバック大歓迎です。でも、変なのは消しちゃいます!

メールを送る
管理者ページ





Powered By FC2ブログ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。