ぶっき Library... 十角館の殺人 (綾辻行人)

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十角館の殺人 (綾辻行人)

デビュー作でありシリーズ第一弾。

別掲の通り、先に読んだシリーズ第二弾『水車館の殺人』の印象は惨憺たるものでした。それで、このシリーズへの関心はすっかりしぼんでいましたが、気を取り直して評判の良さそうな本作を手に取りました。
結果『水車館の殺人』とは別物でした。面白くて、楽しめました。

『水車館の殺人』では、読み進む気力を奪われるほどに人物描写が薄っぺらでした。キャラ的な魅力も乏しかった。ところが、『十角館の殺人』ではそのことが気にならないどころか、自然に物語の世界に入り込めました。思うに『十角館の殺人』の登場人物たち(=学生)は、執筆当時の作者にとってイメージしやすい存在だったのでしょう。それで、自ずと存在感を出すことが出来たのではないでしょうか。
また、登場人物が学生ばかりという設定はキャラが曖昧になりやすいのですが、この点でもストレスはありませんでした。

ただし、探偵役の島田潔は相変わらずパッとしません。推理は、動機に対する憶測が多くてまるで凄みを感じません。キャラ的にもさっぱり魅力を感じません。冴えない探偵役、という設定では無さそうですが・・・

謎解きに関しては緩めです。ガチガチではありません。しかし、理にかなっているし、意外性はあるし、ひねりも効いていて、かなり楽しめました。
ミステリーは一応推理しながら読みますが、じっくり推理しながらというのではありません。あくまでも、読み進むペースの範囲内での推理。こういう読者にとっては、あまりガチガチな論理よりは、この作品のように程好く緩い方がスムーズに読めます。
jikkokukayxsatujin.jpg
  1. 2006-04-30 00:39:24
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