ぶっき Library... 熊の敷石 (堀江敏幸)

ぶっき Library...
読んだものの感想を自由に。



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. -------- --:--:--
  2.  スポンサー広告
  3.  |
  4.   Top ▲ Home

熊の敷石 (堀江敏幸)

中篇1編(『熊の敷石』)と短篇2編(『砂売りが通る』『城址にて』)が収録されています。

先日この作家の『雪沼とその周辺』(別掲)を酷評したばかりですが、この作品集はなかなか魅力的でした。
現在のさりげない出来事を描きながら、そこに過去のエピソードやら語り手の思索やらを交えて奥行きを与えていく、というアプローチは共通しています。大きく違うのは、『雪沼とその周辺』(別掲)が登場人物たちの人生そのものを浮き彫りにしようとしていたのに対し、こちらの三作品は一人称語りで語り手のある状況下での心情・思いの表出に特化しています。この作家のスタイルは断然後者に向いていると思います。

読み応えでは表題作『熊の敷石』ですが、この作家の魅力を実感できたのは『砂売りが通る』。恋愛的な要素があって分かりやすいし、語り手の曰く言い難い心境を説明的な叙述を抜きにして描写のみで感じさせてしまう手腕は心地良く洗練されています。極上の上質さ。しっとりとした余韻が残りました。
あっさりした会話とか控え目でスムーズな語り口などはそこここで見かけるスタイルですが、洗練度と情緒の細やかさは桁違い!

表題作『熊の敷石』はかなり思索的な作品です。思索の果てに確固とした主張や決断があるというのではなくて、思索そのものが理屈っぽく無く表現されています。フランスの寓話を軸としたメインの流れはさして効果的とは感じられませんでしたが、淡々とした中に奥行きが感じられますし、上品で知的に洗練された文章に引き込まれました。
食べ物の描写はこの作品の裏テーマかと思えるほどに印象的。
kumaxsikiisi.jpg
  1. 2006-05-02 01:03:17
  2.  堀江敏幸
  3.  |
  4.  Trackback(0)
  5.  Comment(0)
  6.   Top ▲ Home

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

   

コメント

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://notaro.blog64.fc2.com/tb.php/160-48bde334
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

最新の記事

カテゴリー NAVI

全体(HOME)

読書系
あ行
浅倉卓弥 (3)
浅田次郎 (5)
我孫子武丸 (2)
阿部和重 (7)
綾辻行人 (4)
有栖川有栖 (5)
伊坂幸太郎 (9)
いしいしんじ (3)
石田衣良 (2)
市川拓司 (4)
伊藤たかみ (2)
絲山秋子 (5)
歌野晶午 (7)
冲方丁 (2)
浦賀和宏 (3)
大江健三郎 (2)
大崎善生 (2)
小川洋子 (2)
荻原浩 (7)
奧泉光 (3)
奥田英朗 (3)
恩田陸 (2)

か行
垣根涼介 (4)
角田光代 (2)
金原ひとみ (3)
川上弘美 (2)
貴志祐介 (5)
京極夏彦 (2)
桐野夏生 (2)
栗田有起 (4)

さ行
重松清 (2)
島本理生 (3)
殊能将之 (4)
白石一文 (4)
瀬尾まいこ (3)

た行
多島斗志之 (3)
戸梶圭太 (2)

な行
中村航 (2)
二階堂黎人 (2)
西尾維新 (3)

は行
東野圭吾 (5)
樋口有介 (3)
古川日出男 (5)
保坂和志 (2)
堀江敏幸 (2)
本多孝好 (2)

ま行
舞城王太郎 (8)
松尾スズキ (2)
町田康 (3)
松岡圭祐 (3)
麻耶雄嵩 (5)
三浦しをん (2)
三崎亜記 (2)
水野良 (5)
宮部みゆき (5)
村上春樹 (15)
村上龍 (3)
森絵都 (3)
森博嗣 (7)

や行
横山秀夫 (2)
吉田修一 (3)
吉村萬壱 (3)
米澤穂信 (3)

わ行
綿矢りさ (2)


その他の作家 (44)


海外の作品 (9)



雑談系

このブログについて

最近のコメント

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

最近のトラックバック

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

リンク



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

ブログ検索

運営者

ひねもじら 乃太朗

40代の中年男子です。コメント、トラックバック大歓迎です。でも、変なのは消しちゃいます!

メールを送る
管理者ページ





Powered By FC2ブログ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。