ぶっき Library... ベルカ、吠えないのか? (古川日出男)

ぶっき Library...
読んだものの感想を自由に。



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. -------- --:--:--
  2.  スポンサー広告
  3.  |
  4.   Top ▲ Home

ベルカ、吠えないのか? (古川日出男)

古川日出男とは相性が悪そうなので、『アビシニアン』で読むのを止めようと思っていたのですが、やけに評判がいいので、魔がさして本書を手に取ってしまいました。が、結果は案の定でした。

犬たちが主要な役割を果たすリアル系(ファンタジーや戯画的な風刺小説では無い、という意味で)の物語となると、彼らの実体感をどう表現するのか!?に注目してしまいます。
ところが、この作品は安直に犬に人間流の思考をさせていて、しかも思考内容は、子供時代に少年漫画誌で読んだことがあるようなベタな擬人化。極端に人間臭くなっているわけじゃないけど、文学的創意みたいなものは感じられなくて、肩透かしでした。
もっとも、ここまでの作品で示された筆力から考えると、客観描写だけで動物の実体感を生み出すのは難しそうだから、この作家にとっては妥当な選択なのかも。

勢いのある独特の文体は個性を放っているけれど、たとえば《老人だった。年老いた男だった。》みたいな安直な言いかえとか反復が目白押し。話し言葉なら(芝居のセリフみたいな)ともかく、書き言葉である小説の言い回しとしては安っぽく感じられます。
これはひとつの例で、個性的な文体の使い手だけにこだわりがありそうだけど、言葉に対するセンスは好きになれません。

もともと精密な設定とかリアルな描写で勝負するつもりはなさそうだから、その意味で自分の批判が的外れであることは承知しているつもりだけど、それでも否定的になってしまうのは、(わたしから見て)失われたモノを補うだけのプラス要素が感じられないから。これは相性なのか?似たような小説が氾濫する中、強い表現意欲を持った魅力的な作家だとは思うんですけどね・・・
belkahoenanoka.jpg
  1. 2006-05-02 01:00:57
  2.  古川日出男
  3.  |
  4.  Trackback(3)
  5.  Comment(0)
  6.   Top ▲ Home

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

   

コメント

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://notaro.blog64.fc2.com/tb.php/156-e0be2dab
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

[本]
「ベルカ、吠えないのか?」古川日出男(図書館)を読む。面白い。 きょう(現代史)のわんこ。古川日出男は初めて読む。 現代史おさらい。犬が次々死んで生まれていくさまは「俺の屍を越えてゆけ」(ゲーム)を思い出した。または聖書。 341頁ですが「最初から人間は全員狂ってい
  1. 「短歌と短剣」探検譚    
  2. 2007-04-05 03:02:09  
古川日出男さんの朗読ギグ@高円寺20000V!9/24!(マッティア・コレッティ・ジャパン・ツアー)
朗読でありながら音楽的でもある古川日出男さんの朗読が高円寺のライブハウス、200...
  1. キアズマ | kiasmablog    
  2. 2006-09-14 22:14:28  
古川日出男【ベルカ、吠えないのか?】
この本、もっと早く読むべきだった。世間では大評判であることを知りながら、「早く文庫化されないかな~」とセコいことを考え、ようやく最近になってハードカバーを買うふんぎりがついた【ベルカ、吠えないのか?】
  1. ぱんどら日記    
  2. 2006-07-31 14:45:50  

最新の記事

カテゴリー NAVI

全体(HOME)

読書系
あ行
浅倉卓弥 (3)
浅田次郎 (5)
我孫子武丸 (2)
阿部和重 (7)
綾辻行人 (4)
有栖川有栖 (5)
伊坂幸太郎 (9)
いしいしんじ (3)
石田衣良 (2)
市川拓司 (4)
伊藤たかみ (2)
絲山秋子 (5)
歌野晶午 (7)
冲方丁 (2)
浦賀和宏 (3)
大江健三郎 (2)
大崎善生 (2)
小川洋子 (2)
荻原浩 (7)
奧泉光 (3)
奥田英朗 (3)
恩田陸 (2)

か行
垣根涼介 (4)
角田光代 (2)
金原ひとみ (3)
川上弘美 (2)
貴志祐介 (5)
京極夏彦 (2)
桐野夏生 (2)
栗田有起 (4)

さ行
重松清 (2)
島本理生 (3)
殊能将之 (4)
白石一文 (4)
瀬尾まいこ (3)

た行
多島斗志之 (3)
戸梶圭太 (2)

な行
中村航 (2)
二階堂黎人 (2)
西尾維新 (3)

は行
東野圭吾 (5)
樋口有介 (3)
古川日出男 (5)
保坂和志 (2)
堀江敏幸 (2)
本多孝好 (2)

ま行
舞城王太郎 (8)
松尾スズキ (2)
町田康 (3)
松岡圭祐 (3)
麻耶雄嵩 (5)
三浦しをん (2)
三崎亜記 (2)
水野良 (5)
宮部みゆき (5)
村上春樹 (15)
村上龍 (3)
森絵都 (3)
森博嗣 (7)

や行
横山秀夫 (2)
吉田修一 (3)
吉村萬壱 (3)
米澤穂信 (3)

わ行
綿矢りさ (2)


その他の作家 (44)


海外の作品 (9)



雑談系

このブログについて

最近のコメント

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

最近のトラックバック

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

リンク



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

ブログ検索

運営者

ひねもじら 乃太朗

40代の中年男子です。コメント、トラックバック大歓迎です。でも、変なのは消しちゃいます!

メールを送る
管理者ページ





Powered By FC2ブログ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。