ぶっき Library... アラビアの夜の種族 (古川日出男)

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アラビアの夜の種族 (古川日出男)

ルビの振り方を見ただけでも文体への相当なこだわりが伝わってくるけど、そのわりに雰囲気の演出とか文章のリズムや緩急の手綱捌きはパッとしません。粘着的で、冗漫で、回りくどくて、晦渋。腕の良し悪しというよりも、この作家の体質から来ているような気がする。あんまり好きなタイプの文章ではありません。

そして、この作品ではそれが裏目に出ていると思った。ストーリーが加速していく後半はいいけど、じっくりと進行する前半は足を引っ張っていたと思う。作者自身は序文で「出来る限り粉飾的な日本語化を意図した」とことわっているけど、粉飾的というよりも言葉の塗り壁みたいになっていると思う。
アラビアン・ナイト風の薫るような幻想性・官能性を期待したけど、文体のせいで和風怪奇譚みたいな雰囲気になってます。欠点というか、この作品の持ち味なのかな?

文章の取っ付き難さもあってじっくりと運ばれる前半はしんどく感じましたが、後半に入ってストーリーが加速し始めると俄然面白くなりました。休み休み読んだ前半とは対照的に一気にもっていかれました。
作品中で語られる冒険譚だけでも面白いのですが、全体が凝った多重構造のメタフィクションになっていて、巧みな構成に唸らされました。さらに、物語は書物と人間の関係(著者として、読者として)をキーに引き回されていますが、古川氏の作家としてのこだわりとか思い入れが垣間見えるようで刺激的でした。

現代風に砕けた口調の台詞回しがポンポン飛び交います。面白い趣向と感じました。こういうのは、どうせやるならニンマリ出来るくらいあざとくやった方がいいと思う。前半は生硬な感じで中途半端でしたが、後半はノリが良くなって楽しめました。

最終的には前半の忍耐が報われるだけの楽しさが得られました。
arabiaxyoruxshuzoku.jpg
  1. 2006-05-02 00:59:29
  2.  古川日出男
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古川日出男【アラビアの夜の種族】
いつだったか、夜中に目がさめて、なんとなくテレビをつけたらドキュメンタリー番組をやっていた。ある職人の話。残念なことに、その人には技術があっても商才がない。お金がなくて材料を買えないのだ。でも品物をつく
  1. ぱんどら日記    
  2. 2006-07-31 14:51:18  

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