ぶっき Library... 作家の値うち,作家の値うちの使い方 (福田和也)

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作家の値うち,作家の値うちの使い方 (福田和也)

今さらながら福田和也氏の『作家の値うち』『作家の値うちの使い方』を読みました。

『作家の値うち』
『作家の値うち』は本選びのガイドとして読みました。扱われている作家数・冊数の膨大さが一番の魅力です。物足りなかったのは1冊毎のコメントの薄さですが、これは止むを得ないでしょう。ガイドとしては値うちを感じました。参考にするつもりです。

本の評価が100段階評価つまり100点満点で採点されていますが、読者向けのガイドという視点で見ると8段階評価で事足りたはずだし、むしろこのくらいの方が使いやすかったと思います。100段階評価というのはガイドとしての利便性よりも、細かく序列を決めること自体に重きが置かれているわけで、作家をネタに遊んでいるような不快感がありました(何様?みたいな)。そういう傾向は他にも表れていて、29点以下は「人前で読むと恥ずかしい作品。もしも読んでいたら秘密にした方がいい。」という挑発的な注釈が付されていたり。
sakkaxneuti.jpg



『作家の値うちの使い方』
その後に『作家の値うちの使い方』を読んで作者の狙いが理解できました。作者は文壇の現状(特に純文学と批評)に強い問題意識を持っていて、『作家の値うち』の意図はそれに対する警告と挑発であったようです。

しかし、福田氏のリストラ案は文壇では通用しても、世間一般では門前払いを喰らいそう。論理的でないというかご都合主義。

まず、現状分析が匙加減でしかなくて、説得力がありません。何を以って純文学や批評の現状を否定するのか?
判断材料となるデータらしきもの(発行部数、販売部数、図書館での貸し出し状況、アンケート結果など)は一切ありませんし、それに代わる客観的な指標も示されません。要するに匙加減。

また、仮に文壇の現状が福田氏の言うとおりだとしても、小林秀雄や江藤淳の時代に帰れというだけの文壇リストラ策はお粗末じゃないでしょうか?いや、最終的にここに落ち着くとしても、そこに至るまでに言及すべきことはいっぱいあるんじゃないでしょうか?文壇を取り巻く環境は小林秀雄や江藤淳の時代とは変わっているんじゃないですか?

現状はダメだと思うから、批評家が強かった昔に戻るべきで、批評家である自分がその旗振り役になるよ、という随分と調子のいい理屈です。『作家の値うちの使い方』での福田氏の発言はたぶんに攻撃的ですが、説得力を感じ取れませんでした。

かなり意地の悪い見方ですが、評論家が作家の上に立とうとしたら、自分では創作しない、つまり未来は切り開けないわけだから、過去ないしは海外の偉大な存在の威を借りるしかないわけで、要するに福田氏はこれらの書物によって戦略的に地歩を固めようとしているのでしょう。
sakkaxneutixtukaikata.jpg
  1. 2006-05-02 00:56:35
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