ちょっと手を抜いているような感じがあって、文学作品としてはあんまり肯定できないのだけれど、感動し考えさせられました。したたかです。
身寄りの無い兄弟の兄が強盗殺人を犯して受刑。主役は一人娑婆に残された弟。弟の生き様を通して“罪と罰”が描破されています。
どのあたりが手抜きっぽいかというと、全体の75%くらいは段取りに沿った平板な展開なんです。一人っきりになった弟はさまざまな苦難にあいますが、そのあたりのエピソードがこれに相当します。この作家なら、その気になればこの何倍も濃やかに演出できるはずなのに・・・
このまま予定調和的に終わるのかな・・・と苦々しく思いつつも、読みやすさにつられて終盤に差し掛かったところでガーンと衝撃。そうか、すべてはこれをやりたいがためのネタ振りだったのか!ネタ振りだから段取り臭くなってしまったのね・・・と納得。まあ不満は残るけれど。
社会的な視点でこの落ちをどう解釈するかは微妙だけど、世の中の実相を捉えているとは思うし、物語の落とし方として説得力を感じました。そのしたたかさに舌を巻き、ラストに胸打たれ、おまけに考えさせられてしまいました。
ツボを知りぬいた職人東野圭吾。でもひたむきさも忘れないでね!

- 2006-05-02 00:52:56
- 東野圭吾
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今回は、東野圭吾『手紙』を紹介します。東野作品は、2007年4月現在70%ぐらい読み終わったのですが、白夜行の次に好きな作品です。本書は、犯罪加害者の家族(特に弟の直貴の人生にどう影響するか)を描いたものです。
もし、殺?...
- itchy1976の日記
- 2009-08-13 15:49:06
「手紙」東野圭吾著、読んでみました。「東野圭吾」15作目です。かなり重い内容ですし、楽しい話じゃ無いんですが、作者の力量もありどんどんページが進みました。「剛志」が犯した「重罪」の波紋が消える事無く「直貴」に訪れる「幸せの芽」を悉くかき消して
- 男を磨く旅
- 2007-06-02 21:49:28
山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカの出演で映画化された作品。山田孝之はTBSが東野圭吾の【白夜行】をドラマ化したときも出演しており、めっきり東野圭吾づいている。本書を読みながら「なんか【白夜行】っぽい」と感じ
- ぱんどら日記
- 2006-12-06 10:59:01
映画化で話題になってますな。東野圭\吾。世間一般では泣けるという評価だったけど、なんとなく泣くに泣けなかった、てな感想とともにうら君より借りたもの。あー、同意だ。泣けないなぁ。でもいろいろと問いかけられるものはありました。重かったですのことよ。
- よろずことのは
- 2006-11-27 23:22:02