ぶっき Library... 汚名 (多島斗志之)

ぶっき Library...
読んだものの感想を自由に。



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. -------- --:--:--
  2.  スポンサー広告
  3.  |
  4.   Top ▲ Home

汚名 (多島斗志之)

これは随分渋い作品です。

第二次大戦中の事件が題材に採られていますが、多島版『女の一生』とでも称すべき内容と感じました。
叙事的なスタイルで書かれていたら大河ドラマになりそうですが、叔母の足跡を辿った報告という形式をとることで、一人の女性の生き様に焦点を絞っています。叔母自身による情報は一切無くて、彼女と関わった人々(あるいは彼らの遺族)からの伝聞をもとにその生き様が再構成されていきます。

明らかになる叔母の生き様はそこそこ波乱に富んでいますが、語り口は静かで淡々としています。語り手は50代の作家という設定で、執筆当時の多島氏と被ります。肩の力が抜けた、熟年っぽい空気が流れています。

印象的なのは作者のいつくしむような叔母の描写。こんな女性を描きたかったのか、あるいはこんな風に女性を描きたかったのかは分かりませんが、清濁併せ呑んでの肯定的な眼差しが印象的です。
浸透してくるような描き方で、読了後しばらく、あたかも実在した人物であるかのようにその叔母のイメージが残っていました。

最後にちょっとしたどんでん返しがあります。こういう落とし方をするのだったら、もっと伏線となるエピソードが欲しいと感じましたが、このどんでん返し自体オマケみたいなもんなのでしょう。
omei.jpg
  1. 2006-05-01 19:22:41
  2.  多島斗志之
  3.  |
  4.  Trackback(0)
  5.  Comment(0)
  6.   Top ▲ Home

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

   

コメント

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://notaro.blog64.fc2.com/tb.php/132-2f7a3aac
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

最新の記事

カテゴリー NAVI

全体(HOME)

読書系
あ行
浅倉卓弥 (3)
浅田次郎 (5)
我孫子武丸 (2)
阿部和重 (7)
綾辻行人 (4)
有栖川有栖 (5)
伊坂幸太郎 (9)
いしいしんじ (3)
石田衣良 (2)
市川拓司 (4)
伊藤たかみ (2)
絲山秋子 (5)
歌野晶午 (7)
冲方丁 (2)
浦賀和宏 (3)
大江健三郎 (2)
大崎善生 (2)
小川洋子 (2)
荻原浩 (7)
奧泉光 (3)
奥田英朗 (3)
恩田陸 (2)

か行
垣根涼介 (4)
角田光代 (2)
金原ひとみ (3)
川上弘美 (2)
貴志祐介 (5)
京極夏彦 (2)
桐野夏生 (2)
栗田有起 (4)

さ行
重松清 (2)
島本理生 (3)
殊能将之 (4)
白石一文 (4)
瀬尾まいこ (3)

た行
多島斗志之 (3)
戸梶圭太 (2)

な行
中村航 (2)
二階堂黎人 (2)
西尾維新 (3)

は行
東野圭吾 (5)
樋口有介 (3)
古川日出男 (5)
保坂和志 (2)
堀江敏幸 (2)
本多孝好 (2)

ま行
舞城王太郎 (8)
松尾スズキ (2)
町田康 (3)
松岡圭祐 (3)
麻耶雄嵩 (5)
三浦しをん (2)
三崎亜記 (2)
水野良 (5)
宮部みゆき (5)
村上春樹 (15)
村上龍 (3)
森絵都 (3)
森博嗣 (7)

や行
横山秀夫 (2)
吉田修一 (3)
吉村萬壱 (3)
米澤穂信 (3)

わ行
綿矢りさ (2)


その他の作家 (44)


海外の作品 (9)



雑談系

このブログについて

最近のコメント

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

最近のトラックバック

※ ポインターをあわせるとタイトル表示

リンク



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

ブログ検索

運営者

ひねもじら 乃太朗

40代の中年男子です。コメント、トラックバック大歓迎です。でも、変なのは消しちゃいます!

メールを送る
管理者ページ





Powered By FC2ブログ



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。