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紅一点論 (斎藤美奈子)

文芸評論とかそれっぽいものは嫌いなのですが、他の方の書評を見て面白そうだったので手にとってみました。

アニメ・特撮・伝記のヒロイン像の変遷を分析(?)した評論本です。
時代の産物である人気アニメ・特撮にその時代の風潮が反映されるというのは誰しもが想定できる範囲内のことだと思います。そういう当たり前のことをわざわざ検証したのがこの本です。「やっぱりね」と確認して終わり、みたいな。他愛の無い子供向けの娯楽にもしっかり時代の風潮が反映されていることを確認できたのはそれなりの意味があると思うけど、中味のある論証ではありません。
しかもその分析は分類してレッテルを貼っていくだけなので大雑把で玉虫色。宇宙戦艦ヤマトやウルトラマン・ウルトラセブンみたいな単純な構図の作品は納得できたけど、宮崎アニメやエヴァンゲリオンあたりになると作者自身が設定した分類基準に無理矢理紐付けしているようにも感じられました。別の解釈も成り立ちそうで、結論ありきの分析っぽい。
アニメ・特撮には詳しくないけど(子供のときは好きでした)、そんなわたしの目から見ても分析対象として採り上げられている作品に偏りを感じました。ウルトラ・シリーズ1つとっても新ウルトラマン以降に触れられていませんし、仮面ライダー・シリーズにも触れていなかったと思います。特に仮面ライダー・シリーズは著者の分類には当てはまらないので、論旨に合う作品をピックアップしているという謗りを受けかねません。

女性の偉人の伝記が抱き合わせで論じられています。子供向け伝記の分析としては面白いのですが、人気アニメ・特撮の分析と抱き合わせにする意義は感じられませんでした。どちらも子供たちに偏向した観念を植え付けかねないという点では共通するけれど、人気アニメ・特撮と伝記では作者が記述している通り成り立ちや背景が異なるのだから(たとえばもっぱら日本の社会状況が写り込む国産アニメ・特撮に対して、斎藤氏自身の調査によると海外の偉人の伝記は日本に入ってくる前の段階でかなりバイアスがかかっているらしい)、本書のように簡単に紐付けしてしまうのは大雑把だし、論理の構築としては弱く感じました。伝記を持ち出すくらいなら、国産の少年少女向けコミックスあたりを扱ってくれた方がよほどしっくりくると思いました。ただし、収拾がつかなくなるかも・・・

アニメ・特撮・伝記に詳しくないし出典のチェックはしていませんが、ロジックに限って言えば大雑把であったり牽強付会な論が目につきました。そして結論そのものは手垢にまみれているし、手垢にまみれた結論が活性化されているようにも見えません。
しかし、おバカなネタ本として読む限りではそれなりに楽しめます。結論ありきの分析とは言え、頭の中に雑然と記憶されている過去の名作アニメ・特撮の映像が、紅一点という切り口で整理・体系化されていく感覚はそれなりに刺激的で楽しく感じられました。
kouittenron.jpg
  1. 2006-05-01 16:04:04
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