ぶっき Library... オテル モル (栗田有起)

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読んだものの感想を自由に。



オテル モル (栗田有起)

この作家を読むのは3作目。

2作品に対する自分の感想を読むと必ずしも好意的ではない。読むといろいろ気になってしまう。でも、独特の人懐っこい作風のせいか不快感は残らない。ということは、作家との相性はそんなに悪くないということだろう、きっと(笑)

「オテル」とはホテルのこと。快眠が売りの一風変わったホテルを舞台に、フロントで働くことになった女の子の物語。
メルヘンチックな雰囲気はなかなか心地良かったし、過去の2作品に比べると描写の密度は上がっていると思う。眠たさの表現とか、主人公の危なっかしさの描き方は上手いと思った(眠気覚ましに深夜のホテルで踊りまくっちゃうシーンとか)。このあたりはその気にさせられた。

でも、完成度みたいな読み方をすると失敗作なんだろうなぁ。たぶんホテルの仕事を通して屈折した感情が解きほぐされていく、みたいなところを狙っているのだろうけれど、架空の存在であるホテルがいかにも描き足りなくて、狙い通りの効果に至っていない、というか空中分解している。たとえば、ホテルの従業員や常連客あたりを主要人物に加えるとか、ホテルの実像が浮き彫りになるような事件を起こすとかしてホテルに実体を与えていかないと、主人公の内面変化が焦点を結ばない。

この作家には、女性的というよりも「女の子」的といいたくなるような浮遊感があって、これはなかなか魅力的な個性なのだけれど、それを如何に読み応えという「重さ」に落とし込んでいくかが鍵だと思う。
さもなくば、『ハミザベス』収録の『豆姉妹』みたいな楽しく笑えてちょっといい話路線を極めていくか...
otelmol.jpg
  1. 2006-05-01 11:54:47
  2.  栗田有起
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栗田有起 「オテル モル」
闇に溶けるような道に入り口がある会員制ビジネスホテルオテル モル。客室は、全て地下。
  1. ゼロから    
  2. 2008-07-19 20:26:12  

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