ぶっき Library... 横山秀夫

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半落ち (横山秀夫)

この作家を読むのは『クライマーズ・ハイ』(別掲)に続いて2作目です。
同じノリです。組織に生きる男の熱い生き方が引き締まった筆致で描かれ、ちょっといい話風に締めくくる。

プロットは単純で彫が浅いし、人物の描き分けもイマイチ(キャラのパターンが限られている)。そして、物語の締めくくりを失敗しています。ああいう落ちにするのなら、仕込み方が間違っているんじゃないでしょうか。もっと病気ネタに読者の気持ちを引きつけておかないと。いや、やっぱり落とし方そのものを誤っているかな・・・

作劇としての弱さにもかかわらずやけに生々しく迫ってくるのは、男たちのぶつかり合いや組織との葛藤に迫力があるから。ぶつかり合いや葛藤の構図はワンパターンだし、熱い生き方礼賛のシンプルなスタンスだけど、作者は主役級の男たちを精神的にギリギリ追い詰めて、微塵も甘やかしません。
ここにこの作品のリアリティが、そして2作品しか読んでいないにもかかわらず思い切って断言してしまうなら、横山作品の一点突破的魅力があると感じます。浅田次郎作品の“人情”に匹敵する突破力を感じます(タイプは全然違いますが)。プロットが粗かろうが、人物がワンパターンだろうが、独自の世界に引き込んでしまわんとする強烈さ。勝ちパターンを持っている作家だと感じました。
hanoti.jpg
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  1. 2006-05-03 11:05:25
  2.  横山秀夫
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クライマーズ・ハイ (横山秀夫)

作家自身が経験した職業(あるいはそれに類似した職業)を題材に採った作品は一味違います。現場に漂う空気とか、そこで働く人たちのメンタリティが生々しく伝わってきます。
この作品では地方の新聞社が舞台になっています。

とりあえず演出が抜群。読ませ上手です。男の意地のぶつかり合いや、理想と現実との葛藤がスリリングに描かれます。鋼のように強靭な言葉が歯切れ良く繰り出されてきます。切り詰められた筋肉質な表現で、全編クライマックスかと言いたくなるほどの強烈なドライブ感。
いろんな意味で体育会系ですねぇ(笑)。

新聞社の内情とか仕事の進め方は必要にして十分なだけ説明されていますが、文章のスピード感とかリズム感に障らないように要領よく織り込まれていて、そんなところにも上手さを感じます。

とは言え、気になった点がいくつかあります。主人公がベテラン社員のわりに感情的に過ぎる(あるいは青臭い)とか、新聞社の上層部が無能過ぎるとか(無為に主人公の暴走を許してしまう点で)、主人公とその息子の確執の根っこにあるものが見えにくいとか、主人公の生き様とクライマーズ・ハイ(登山中にテンションが上がりまくって恐怖感が麻痺する状態)を引っ掛けるのはしっくりしないとか。けっこうあります(笑)。
そのせいか、主人公の生き様を謳歌するエンディングには乗り切れませんでした。
しかし、そこに至るまでの面白さだけで十分に元が取れました。
clibmershigh.jpg
  1. 2006-05-03 11:05:01
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