ぶっき Library... 二階堂黎人

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吸血の家 (二階堂黎人)

旧家での殺人事件。二階堂蘭子シリーズの一作。

別掲の『宇宙神の不思議』ではかなりネガティブな印象を受けましたが、多作な作家だけにたまたまの不調ということもあると思い、比較的評判の良さそうな『吸血の家』を手に取ってみました。

こちらの方は普通に読み通せました。使い古された舞台設定・人物設定ということもあってか、手堅くまとめられていました。謎解きに集中できるので、この作家の良さが味わえました。
ただし、物足りなさはあります。
物々しい設定(旧家、血縁、過去の醜聞、オカルトetc)のわりにエンディングの手ごたえが軽いのは、人物造形の踏み込みの甘さゆえでしょう。旧家の三姉妹というおいしい設定にもかかわらず、三人のキャラが立っていないこと。探偵及び語り手を犯罪の舞台である旧家の親類縁者に設定しながら、彼らが物語の展開に喰い込めていないこと。これらはやりすぎると犯人探しのヒントになってしまいますが、ああいう締めくくり方(手紙)をするのであれば、もっと人物造形の面で伏線をひいておく必要があったと思います。

謎解きは、いくつか釈然としない点はあるものの、入念に構築されています。仮に納得できなくても、感心してしまいます。
kyuketuxie.jpg
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  1. 2006-05-02 00:41:00
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宇宙神の不思議 (二階堂黎人)

SFっぽいミステリーかと思いきや、新興宗教を題材とした普通のミステリーでした。

主要人物の描き方から判断して、作者はキャラ萌えミステリーを狙っているようですが、下心がミエミエで興醒めでした。まあ、ターゲットしている読者がわたしみたいなおやじではないのでしょう。

謎解きに関してはかなり入念です。敢えて探偵役にミスを犯させて読者を煙に巻くあたりも達者な感じ。また、かなりのボリュームですが、文章・構成とも明解かつスムーズ。

一方、小説としての説得力は希薄。たとえば催眠療法の模様が詳細に描かれていますが、そこでの医師と患者のやりとりはその方面の専門家でなくても「ありえない」と感じられる不自然さ。細かいところでは、探偵役と依頼人との会話で、依頼の趣旨を聞いてないうちから探偵役が要領よくポイントをついた質問を繰り出したりとか。そういう場面があちこちにあります。こういうちょっとした不自然さの積み重ねが結構効いてきます。これでは推理しながら読もうという気持ちが萎えてしまいます。手を抜いてる感じではありません。描写自体は丁寧で念入りですから。

また、新興宗教を扱うならもっといろいろな盛り上げや掘り下げが可能だと思いますが、通り一遍な印象です。作者は謎解きの道具立てとしか考えていないのでしょうが、いかにも視野が狭い印象。作者の勝手と言ってしまったらそれまでですが、新興宗教を扱った小説は少なからずあって、どうしてもそれらと比較してしまいます。『宇宙神の不思議』はかなり安易。

この作家は、謎解きには強いけど、(作家としては)一般教養とか人間に対する洞察力は乏しそう。この作品では得手不得手がはっきり出ているようです。何度か放り出しそうになりましたが、後半に入って謎解きが佳境に入ってくると面白さが増してきて、何とか読みきりました。
utyusinxhusigi.jpg
  1. 2006-05-02 00:40:40
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